M1村田宏彰公認会計士事務所
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藤井聡太四段の連勝記録が「29」でストップし、肩の荷が下りた31戦目。
守備戦法「穴熊囲い」の破り手で有名な中田功七段相手に、藤井聡太が選択した戦法が、まさかの「穴熊囲い」。
経験の差あって苦戦したようだが、最後は解説者も驚く打ち手の連続で、鮮やかな逆転勝ち。見事、30勝目を挙げた。
経営においては、自分の強みを発揮して他社より優れないと、勝ち目がない。
したがって、相手の得意なところを避け、自分の得意なところで戦うのが鉄則だ。
アリジゴクがどんな姿をしているか知っている人は少ないだろう。
巣から出てこないからだ。
そして、巣の中であれば、必ず相手に勝てる。
そう、自らの強みをフルに発揮して、自分の土俵で勝負することが、勝利につながるということだ。
しかし、藤井聡太氏はあえて相手の土俵で闘った。
記者からの質問への答えがふるっている。
「(勝ちに)妥協するのは面白くない」と。
「名人を超す」ことを目標に置いたのが、小学校4年生のとき。
大欲は無欲に見えるというが、名人を超すには、眼前の勝利に一喜一憂してなどいられないのが本音だろう。
31戦目を観戦していた師の杉本昌隆七段は、「勝利よりも内容を重視しているようだ。真正面から行って大丈夫かなと思った」。
弟子よりも師の方が、よほど勝ちを意識しているではないか。
連勝中のときも、周囲の熱狂に惑わされることのない自然体を維持していた。
並の棋士なら有頂天だったろう。
本人は言う。
「弱点を無くせるように頑張りたい」と。
弱冠14歳にして、驕らず謙虚に学ぶ。
遥か先の目標に精進しつづける姿勢。
強いはずである。
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