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M One News 21-05           2021/06/15 緊急事態宣言はあと3回?

 WHO(世界保健機構)は2021/05/31、特定の国への差別を防ぐため、コロナウイルス変異型の呼び名をギリシャ文字による呼称に変更するよう、各国に呼びかけました。
 各変異型の呼称は、以下のとおりです。

 
 以下、それにならって、用語を使用することとします。
 海外では、アルファ株の感染力は従来型の1.7倍、デルタ株はアルファ株の1.5倍と、報道されていたため、デルタ株の感染力は従来型の1.7×1.5 = 2.6倍に達することもありうると予想していました。
 
 

 一方、国内ではどうか。
 北海道大学の伊藤公人教授と京都大学の西浦博教授らのグループは、2021/06/09の厚生労働省の専門家会議で、デルタ株の国内での感染力を実績データから分析し、その結果を公表しました。
 それによれば、「1.78倍」。
 
 2.6倍よりはマシですが、高い感染力には違いありません。
 
 因みに、2021/06/06までの1週間で東京都が行ったスクリーニング検査では、デルタ株の割合が3割強まで既に上がってきています。
 1週間以上経った現在では、もっと上がっていることでしょう。
 
 従来型からアルファ株にほぼ置き換わった現在、デルタ株の全国の感染状況を見ると、東京を中心にいま広がっているそうですが、2021/07/中には全国で過半数を占める予測が出ているとも聞きます。
 実際、東京都も、アルファ株中心のスクリーニング検査をデルタ株中心のスクリーニング検査に切り替えるそうです。
 
 

 そして、変異株は感染力が強いだけでなく重症化率も高いと、国立感染研究所は2021/04/23に警告しました。
 従来型の重症化率は1.6%だったのに対し、変異株の重症化率は5.5%と、3倍以上だったのです。
 もっともこれは、2020/12/23~2021/03/09に入院した110人の調査結果で、従来型とアルファ株の比較結果ですから、今後主流となるデルタ株のデータはこれからです。
 
 

 英国政府は2021/05/22、変化株へのワクチンによる発症予防効果を発表しました。

 

 幸いなことに、下がり気味とはいえ、十分効果があると言えそうです。
 ただ、接種1回では効果が半分以下の33%しかないそうなので、2回きちんと接種することが大事ですね。
 
 

 群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春氏と神戸大の國谷紀良(としかず)准教授は2021/05/06、ワクチン接種スピードと緊急事態宣言回数のシミュレーション結果を、査読前論文専用サイトmedRxiv(メドアーカイブ)上で発表しました。
 

 https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.05.06.21256476v1.full
 
 2020/01/14~2021/04/20の感染者数などを基に、全国の1日の新規感染者数が5,000人超で緊急事態宣言を発令、1,000人以下で解除と仮定し、アルファ株の感染力も考慮してシミュレーション(デルタ株の感染力は考慮していない)。
 
 その結果は、
 ・1日の接種回数が44万回なら、緊急事態宣言はあと3回。
 ・1日の接種回数が88万回なら、緊急事態宣言はあと1回。
 というもの。
 グラフは以下のとおり。

 
  
 一方、現在の1日の接種回数は、1日50万回程度。

 
 
 菅首相は、6/中には1日100万回体制に持っていくと述べていましたが、はたしてできるのか。
 アルファ株でのシミュレーション結果よりも、デルタ株でのシミュレーション結果の方が、より悪いのは容易に予想できます。
 開催がほぼ確実視されているオリンピックで人流が増えるなかで、今後主流となるデルタ株の感染力の強さ、そして楽観論に後押しされる気の緩みなどを考えると、1回どころか、本当に3回で済むのか、という声すら聞こえてきそうです。
 
 

 収束まで1年としても、終息まで2年かかるかもしれない、ということを最悪のケースとして想定しておいた方がよさそうですね。
 
 対して、先行指標として、ワクチン接種率が10%を超えたあたりから株式相場は上昇トレンドに入るのが、海外共通とのこと。
 
 1回目接種率がようやく10%を超えた日本(2021/06/13現在)。
 いつ事業のアクセルを踏むのか、判断が難しいところです。
 
 

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