M1村田宏彰公認会計士事務所
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大きく分けて2つの方法があります。
1つ目が、社員が立替精算書を作成し、精算する方法。
2つ目は、出張旅費規程にしたがって精算する方法。
いずれによるかで、処理が異なります。
会社が仕入税額控除するためには、会社宛のインボイスが必要です。
もし、インボイスの宛名が社員名になっている場合は、社員が会社宛の立替精算書を作成することにより、セットでインボイスにして、仕入税額控除が受けることができます。
なお、3万円未満の公共交通機関の運賃は、帳簿に「公共交通機関特例」などと明記することで、インボイスなしで仕入税額控除を受けられます。
因みに、この「公共交通機関」とは船舶・バス・鉄道とされており、航空機やタクシーは入りませんので、注意が必要です。
そして、金額の判定は、1回の取引金額で行います(例えば、4枚の切符をまとめて購入したら、4枚の合計金額で判定します)。
支払総額と消費税額を立替経費精算書に記載しておくと、経理部が効率的に処理できます。
出張旅費規程とは、出張にかかわる各種経費(交通費、宿泊費、出張手当など)に関する取扱いを定めた会社の規程を指します。
この出張旅費規程にしたがって社員に支給する場合は、インボイス保存は不要になりますが、帳簿に「出張旅費特例」と記載しなければなりません(記載しないと仕入税額控除を受けられない)。
出張旅費規程は、概ね、給与課税されないよう、通常必要とされる範囲(所基通9-3)に抑えられていると思われますが、消費税上は、必要なら一定額を超えていても、仕入税額控除できます。
在来線や新幹線の乗車券・特急券については、帳簿保存のみで仕入税額控除できる「公共交通機関特例」や「出張旅費特例」をまず検討することになりますが、適用できないケースもあります。
そのケースに対応するために、インボイス入手方法をあらかじめ知っておきましょう。
表下段の適用不可のケースに対しては、券売機や窓口で領収書(簡易インボイス)を入手してください。
JR東日本のインターネット予約サイト「えきねっと」では、ログイン後のマイページから、領収書データを電子簡易インボイスとしてダウンロードできるようです。
また、モバイルSuicaはチャージ上限額が2万円で、出張旅費特例の3万円未満のため、運賃に対しては、簡易インボイスは発行されませんが、モバイル定期券では、3万円以上になって公共交通機関特例を利用できなくなることも考えられるため、定期代に対しては、ログイン後のマイページから、電子簡易インボイスを発行できるようになっているそうです。
立替精算に使用するインボイス必要書類フローチャートを、社員にも配布できるように作成しました。
・立替精算インボイス必要書類フローチャート
・立替精算インボイス必要書類フローチャート(少額特例適用事業者用)
いずれも、こちらから(限定公開)。
適宜、ご利用ください。
少額特例とは、中小・小規模事業者向けに2023年税制改正で手当てされた特例です(M One News 23-01「2023年度税制改正」の2点目参照)。
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